香川県といえば「讃岐うどん」の聖地。数ある名店の中でも、地元民だけでなく全国から訪れるうどん通たちを唸らせてきたのが、**高松市円座町にある「宮武うどん」**です。
宮武うどんとは?
「宮武うどん」は、昭和20年代から続く老舗うどん店で、讃岐うどんの伝統的な味とスタイルを今も守り続けています。店主は代々、手打ちにこだわり、毎朝早くから粉を練り、生地を寝かせて、理想的なコシと喉ごしを生み出しています。
その最大の特徴は、“ねじれ麺”。角がしっかり立ったこの麺は、うどん通の間でも評価が高く、見た目からも「これぞ讃岐うどん」と唸らされる風格を感じます。
名物「ひやあつ」をぜひ味わってほしい
香川に来たなら絶対に食べておきたいのが、宮武うどん名物「ひやあつ」。
これは、冷たく締めたコシの強いうどんに、熱々の出汁をかけていただくスタイルで、宮武うどんがその元祖とも言われています。
この「ひやあつ」、一見するとただの“温冷ミックス”のように感じるかもしれません。
でも、実は讃岐うどん文化を深く理解するうえで、とても大切な一杯なんです。
「ひやあつ」の魅力とは?
✅ 冷たい麺 × 熱い出汁の“黄金バランス”
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麺は冷水でしっかり締めることで、プリッとした歯ごたえと強いコシを保ちます。
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そこに熱々の出汁をかけることで、風味豊かで体がホッとする味わいに。
この絶妙なバランスが、宮武うどんの真骨頂。
「ひやあつ」ならではの温度差によって、麺と出汁の美味しさがそれぞれ際立つのです。
✅ 出汁の旨さが際立つ
宮武うどんの出汁は、香川県ならではの「いりこ(煮干し)」をベースにしたもの。
一口すすると、いりこの旨味がふわっと広がり、あと味はすっきり。
化学調味料を感じさせない自然な味わいは、長年通う地元民にも愛される理由の一つです。
「ひやあつ」ってどうやって頼むの?
初めて訪れる方は、「ひやあつ」の注文方法が少し不安かもしれません。ご安心ください。とても簡単です。
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トレーを取る
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カウンターで注文:「ひやあつ 小(または中・大)ください」
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天ぷら・おにぎりを選ぶ(セルフ式)
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会計を済ませる
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出汁がセルフ式なら、自分で熱い出汁をかける(※店舗によって異なる)
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空いている席で実食!
「ひやあつ」はサイズが選べます:
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小:おやつ感覚にも◎
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大:一番人気のサイズ
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特大:たっぷり食べたい人向け
他の温度スタイルとどう違うの?
讃岐うどんには、「麺の温度 × 出汁の温度」で楽しみ方が4通りあります:
呼び方 | 麺の温度 | 出汁の温度 | 特徴 |
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ひやあつ | 冷たい | 熱い | コシが強く、出汁の香りと温かさが引き立つ |
あつあつ | 熱い | 熱い | やわらかめの麺と、身体が温まる味わい |
ひやひや | 冷たい | 冷たい | キリッと冷たく、夏にぴったり |
あつひや | 熱い | 冷たい | 香川でもレア。食感のギャップが楽しい |
中でも「ひやあつ」は、コシのある麺と香り高い出汁の両方を最大限に味わえる“いいとこ取り”の一杯。初めて宮武うどんを訪れる方には、まずこのスタイルを強くおすすめします。
地元ファンの声
「あつあつもいいけど、やっぱり宮武の“ひやあつ”は別格」
「冷たい麺に熱い出汁って、こんなに美味しいんだと初めて知った」
この“温冷ミックス”の妙は、うどん県・香川ならではの食文化。
宮武うどんの「ひやあつ」を体験することは、讃岐うどんの核心に触れることでもあるのです。
メニューとおすすめトッピング
宮武うどんは価格もとてもリーズナブル。観光の合間に立ち寄っても財布に優しく、満腹になれるのが魅力です。
- だしかけうどん、、、小 300円、大 400円、特大 500円
- ゆだめ、、、小 300円、大 400円、特大 500円
- ひやし、、、小 300円、大 400円、特大 500円
- ざる、、、小 300円、大 400円、特大 500円
- ぶっかけ、、、小 300円、大 400円、特大 500円
- しょうゆうどん、、、小 220円、大 320円、特大 420円
中でもおすすめは、かきあげととり天。揚げたてサクサクの天ぷらは、出汁に浸しても美味しく、うどんとの相性も抜群です。
アクセス・営業時間
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住所:香川県高松市円座町340-1
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営業時間:9:30~15:00
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定休日:水曜日
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電話番号:087-886-0939
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駐車場:あり
車でのアクセス
・高松自動車道「高松西IC」から約3分
・「高松檀紙IC」からも車で約5分
※ナビで「宮武うどん 高松」と検索すればスムーズに到着できます。
公共交通機関
・ことでん琴平線「円座駅」から徒歩約25分(タクシー利用が便利)
旅行者へのアドバイス
「宮武うどん」は地元民に愛される“通向けの名店”である一方で、観光客にとっては少しハードルが高いと感じることもあるかもしれません。ですが、ちょっとした事前知識があれば安心して満喫できます!ここでは、初めて訪れる方向けに役立つアドバイスを紹介します。
1. 来店時間は“開店直後”がベスト!
宮武うどんは朝9:30から営業していますが、11時を過ぎると一気に混み始めます。
特に土日や連休中は行列ができるほどの人気ぶり。
おすすめは、9:30〜10:30の時間帯。
この時間に行けば、比較的空いており、できたての天ぷらも揃っています。
しかも、麺の茹でたて率が高く、より美味しく感じられるという地元ファンの声も。
2. 「セルフ式」うどんの流れを理解しておこう
宮武うどんは「セルフ方式」です。観光地の飲食店とはちょっと違う注文スタイルに最初は戸惑うかもしれませんが、以下の流れを押さえておけば安心です。
▼ 基本的な流れ(例:ひやあつ+とり天を食べる場合)
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トレーを取る
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カウンターでうどんを注文:「ひやあつ 小ください」
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必要があれば「中(1.5玉)」「大(2玉)」とサイズ変更可能
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天ぷらコーナーでお好みの具材(とり天・かきあげ など)を取る
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おにぎりや炊き込みご飯もセルフで取れる
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レジでお会計
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出汁を自分でかける(店内に出汁ポットがあることも)
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空いている席に座って実食!
※食後はトレーや食器を返却口へ。セルフうどんならではの文化も旅の一部です!
外国語表記・英語対応は基本なし。でも心配無用!
「宮武うどん」はあくまで地元密着型の食堂スタイルのため、英語や外国語対応はほとんどありません。
とはいえ、以下のような簡単な表現で問題なく通じます:
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「Small(スモール)」= 小(1玉)
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「Medium(ミディアム)」= 中(1.5玉)
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「Hot」または「Cold」= 麺の温度
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「Kake」「Bukkake」「Shoyu」などはメニュー名なのでそのまま使えます
不安な場合は、あらかじめスマホで注文したい内容をメモや画像で用意して見せるのもおすすめです。
4. アクセス手段は「車」が圧倒的に便利
宮武うどんは高松市郊外の住宅地にあり、公共交通機関でのアクセスは少々不便です。
▼ 車でのアクセス
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高松西ICから車で約3分
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高松檀紙ICからも約4分
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駐車場完備(約30台分)なので、レンタカー旅行にも最適!
▼ 公共交通機関を使う場合
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琴電「円座駅」から徒歩25分(やや距離あり)
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タクシー利用が現実的(片道1000円前後)
旅行で効率よく回るなら、レンタカーやタクシーとの併用を強くおすすめします。
5. 複数人で行くなら「シェア」もおすすめ!
うどん1杯は比較的軽めなので、違う種類を頼んでみんなでシェアするのも楽しい楽しみ方。
「ひやあつ」と「しょうゆうどん」、「かけうどん」+「天ぷら」など、味の違いを楽しむことでより思い出に残るはず。
6. 写真を撮るなら周囲に配慮して
うどんの見た目や天ぷらの盛り付けはインスタ映え間違いなし!
ただし、店内は混雑しやすく地元の常連さんも多いため、写真撮影は手早く・マナーを守って行いましょう。
ワンポイント
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混雑時は相席になることもあります(地元の人との会話が思い出になることも!)
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出汁がセルフ式の場合、注ぎすぎに注意。器の8分目がおすすめ。
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天ぷらは昼前に売り切れることも。狙うなら早めの時間帯に!
まとめ
香川県には数えきれないほどのうどん店がありますが、「宮武うどん」はその中でも特に“讃岐うどんの原点”を感じられる名店です。ここには観光地化された派手さはありませんが、そのぶん地元に根差した本物の味と空気があります。
なぜ「宮武うどん」は特別なのか?
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手打ち・手切り・手作業の伝統製法が守られている
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「ひやあつ」文化の発祥店として唯一無二のスタイルを提供
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ねじれ麺の強いコシと香り高いイリコ出汁の絶妙なバランス
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天ぷら・おにぎりまで丁寧な手作りで抜かりなし
つまり、「宮武うどん」では、麺・出汁・雰囲気すべてにおいて**“讃岐うどんってこういうものだよ”と語りかけてくるような体験**ができます。
旅の思い出に残る体験を
観光地を巡る旅も楽しいですが、その土地の人々が愛する日常の味に触れることこそ、旅の醍醐味です。「宮武うどん」はまさにそんなスポット。香川の豊かな食文化を体感し、食べ終わったあとに「来てよかった」と心から思えるはずです。
もし香川を訪れるなら、観光ガイドブックだけでは辿り着けない“本物”を味わってみてください。朝の静けさの中で食べる一杯のうどんは、あなたの旅をそっと特別なものにしてくれることでしょう。