はじめに:うどん県・香川で味わうべき、行列の先の至福の一杯
「うどん県」として、その名を全国に轟かせる香川県。県内には数えきれないほどのうどん店が点在し、それぞれが独自のこだわりと味わいで人々を魅了しています。早朝から営業する老舗、セルフ形式の気軽な店、独創的なアレンジうどんを提供する店など、そのバリエーションは実に豊か。うどん巡りは、香川観光のハイライトと言っても過言ではありません。
そんなうどん激戦区にあって、地元の人々はもちろん、県外、さらには海外からの観光客をも惹きつけてやまない名店が、高松市郷東町に佇む「手打ちうどん はりや」です。ガイドブックやインターネットの口コミでも常に上位に名を連ね、お昼時には店の外まで続く長い行列ができることでも知られています。「一体どんなうどんなんだろう?」「並んででも食べる価値があるのだろうか?」――そんな期待と少しの不安を胸に訪れる人も少なくないでしょう。
この記事では、そんな「手打ちうどん はりや」の魅力を徹底解剖。なぜこれほどまでに多くの人々を虜にするのか、その秘密に迫ります。看板メニューである絶品の天ぷらと、主役である手打ちうどんのこだわり、そして訪れる際に知っておきたいポイントまで、観光客の皆さんが「はりや」での一杯を最大限に楽しめるような情報をお届けします。香川のうどん文化の深さと、一杯のうどんに込められた情熱を感じる旅へ、さあ、ご一緒に。
行列必至の人気店!並んででも食べる価値ありの絶品うどん
「手打ちうどん はりや」は、お昼時になると常に行列ができるほどの人気店。店内はカウンター席のみで、店主がお客さんの目の前でうどんを調理する姿を見ることができます。「お客さんにすべてを見てもらうため」という店主の言葉通り、磨き上げられた厨房からは、うどんへの真摯な姿勢が伝わってきます。
週末はもちろん、平日でも開店前から待つ人がいるほどの人気ぶりですが、その味を求めて多くの人が訪れます。時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
看板メニューは「かしわ天ざる」と「いか天ざる」:揚げたての芸術と、麺の競演
「はりや」を訪れたなら、多くの人が注文し、そして虜になる二大看板メニューがあります。それが「かしわ天ざるうどん」と「いか天ざるうどん」。どちらも、注文を受けてから一つひとつ丁寧に揚げられる天ぷらと、打ち立て・茹でたての艶やかなうどんが織りなす、まさに至福の一皿です。
かしわ天ざるうどん:サクサク衣と溢れる肉汁のハーモニー
運ばれてきた瞬間、まず目を奪われるのが、大ぶりで存在感のある「かしわ天」。薄すぎず厚すぎない絶妙なバランスの衣は、揚げたてならではのサクサクとした小気味よい食感。一口かじれば、その香ばしさに続き、プリッとジューシーな鶏肉の旨みが口いっぱいに広がります。鶏肉は数種類の部位を使用していると言われ、それぞれの食感や味わいの違いも楽しめます。一つひとつが大きく、複数個盛られているため、ボリュームも満点。 この熱々のかしわ天を、キリッと冷水で締められた美しい純白のうどんと共にいただきます。エッジの立った麺は、噛み応えのあるしっかりとしたコシと、ツルツルとした滑らかな喉越しが見事に両立。やや甘めに調えられたつけ出汁は、そんな力強い麺の風味を最大限に引き出し、さらにかしわ天の油のコクと絶妙に絡み合います。熱々のかしわ天を時折つけ出汁にくぐらせて味わうも良し、うどんと交互に食べ進めるも良し。最後まで飽きさせない、計算され尽くした一杯です。
いか天ざるうどん:驚きの柔らかさと、凝縮された海の恵み
こちらも「はりや」を代表する人気メニュー。うどんが見えなくなるほど、皿の上に大胆に盛り付けられた「いか天」の姿は圧巻です。一般的にいか天というと、ある程度の歯ごたえを想像するかもしれませんが、「はりや」のいか天は別格。驚くほど柔らかく、それでいてイカ本来の凝縮された旨味と甘みがしっかりと閉じ込められています。揚げたての衣のサクサク感と、中のイカのふっくらとした食感のコントラストがたまりません。 この上質ないか天もまた、はりや自慢の艶やかなうどんと最高の相性を見せます。小麦の香り豊かなうどんは、それだけでも十分に美味しいですが、いか天の繊細な風味と、やや甘めのつけ出汁が加わることで、三位一体の奥深い味わいが完成します。ボリュームがありながらも、その美味しさから女性でもペロリと平らげてしまう人が多いというのも頷けます。噛むほどにイカの甘みが広がり、うどんの喉越しと共に、まさに至福の時間が訪れるでしょう。
どちらのメニューを選ぶか、初めて訪れる人は大いに悩むことでしょう。もし複数人で訪れるなら、それぞれ別のものを注文してシェアするのもおすすめです。「はりや」でしか味わえない、揚げたての天ぷらと渾身の手打ちうどんが織りなす珠玉の一杯を、ぜひ心ゆくまでご堪能ください。
「はりや」のこだわりと特徴:一杯のうどんに込められた職人魂
多くの人々を惹きつけてやまない「はりや」のうどん。その美味しさの背景には、店主の揺るぎないこだわりと、日々積み重ねられる丁寧な仕事があります。
麺への徹底したこだわり:讃岐うどんの真髄を追求
「はりや」のうどんの命は、なんといってもその麺。毎朝、その日の天候や湿度を見極めながら、厳選された小麦粉と塩、水だけで丁寧に打たれます。丹念に鍛えられた生地は、適度な熟成時間を経て、唯一無二の麺へと生まれ変わります。茹で上げられ、冷水でキリリと締められた麺は、表面は滑らかで艶があり、噛みしめるとグッと押し返してくるような力強いコシ、そしてモチモチとした弾力が同居しています。この絶妙な食感こそが、讃岐うどんの真髄。噛むほどに広がる小麦の豊かな風味も、「はりや」の麺ならではの魅力です。常に最高の状態で提供するため、麺がなくなり次第営業終了という潔さも、品質への自信の表れと言えるでしょう。
揚げたての天ぷら:最高の瞬間を逃さない職人技
「はりや」のもう一つの主役である天ぷらは、作り置きは一切せず、必ず注文を受けてから一つひとつ揚げられます。カウンターの向こうで、店主が絶妙なタイミングで天ぷらを揚げる姿は、まさに職人技。高温の油で手早く揚げることで、衣はサクサクと軽やかに、中の具材はジューシーに仕上がります。特に人気の「かしわ天」や「いか天」は、素材の旨味を最大限に引き出す火入れがされており、アツアツの状態で提供されるため、その美味しさは格別。この揚げたての天ぷらを、こだわりのうどんと共に味わう瞬間は、まさに至福のひとときです。
カウンター席のみの空間:臨場感あふれる食のエンターテイメント
店内は、店主の仕事ぶりを間近で見ることができるカウンター席のみ。これは、「お客様にうどん作りのすべてを見ていただき、安心して召し上がっていただきたい」という店主の想いの表れです。磨き上げられた厨房、リズミカルにうどんを茹で上げる音、天ぷらが揚がる香ばしい匂い…。五感を刺激する臨場感あふれる空間は、待つ時間さえも期待感を高めるエンターテイメントとなります。店主とお客さんとの間に流れる程よい緊張感と一体感が、他店では味わえない独特の雰囲気を作り出しています。
お土産うどんも:旅の思い出を食卓へ
「はりや」の味に感動したなら、その美味しさを大切な人へのお土産や、ご自宅でもう一度楽しむために、お土産用のうどんを購入することができます。提供されているのは、お店で出されるものと同じ生麺(または半生麺の場合もあり、要確認)。特製のつけ出汁もセットになっている場合が多く、家庭でも「はりや」の本格的な味わいを再現しやすいのが嬉しいポイントです。旅の思い出を語りながら、あの感動を再び味わうことができるでしょう。
これらのこだわりが一つひとつ積み重なり、「手打ちうどん はりや」ならではの、記憶に残る一杯を生み出しているのです。
訪れる際の注意点:スムーズに「はりや」を体験するために
「手打ちうどん はりや」での至福の一杯を心ゆくまで楽しむために、事前に知っておきたいポイントをまとめました。人気店ならではの注意点もありますので、ぜひ参考にしてください。
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行列は必至!時間に余裕を持った訪問を
- お昼のピークタイム(11:30~13:00頃)はもちろん、開店前から行列ができることも珍しくありません。特に週末や祝日は大変混み合います。
- 可能であれば、開店直後の11:00を目指すか、少し遅めの時間帯(ただし麺切れリスクあり)を狙うなど、時間に十分な余裕を持って計画しましょう。
- 行列中は基本的に屋外で待つことになるため、季節に応じた暑さ・寒さ対策(日傘、飲み物、防寒具など)をしておくと安心です。
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営業時間:「麺がなくなり次第終了」を念頭に
- 営業時間は11:00からとなっていますが、「麺がなくなり次第終了」という点に最大の注意が必要です。
- その日の状況によっては、13時台や、早い日には13時前に閉店となることもあります。「14時までやっているだろう」という考えは禁物です。
- 確実に味わいたい場合は、できる限り早い時間帯に訪れることを強くおすすめします。
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定休日:日曜・祝日はお休み
- 定休日は日曜日と祝日です。旅行の計画を立てる際には、営業日かどうかを必ず確認しましょう。
- ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などの長期休暇期間中は、通常と異なる場合があるため、事前にインターネットなどで情報を確認しておくとより確実です。
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駐車場:混雑時は満車も。譲り合いの心を
- 店舗敷地内に20台程度の駐車スペースがありますが、人気店のため、開店後すぐに満車になってしまうことも多いです。
- 満車の場合は、路上駐車や近隣の迷惑になるような駐車は絶対に避けましょう。
- 公共交通機関の利用(最寄りの香西駅から徒歩)も選択肢に入れるか、時間に余裕を持って駐車場が空くのを待つ覚悟が必要です。
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お支払い:現金のみ!事前の準備を忘れずに
- 支払い方法は現金のみです。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などは一切利用できません。
- お店の周辺にはすぐに両替できる場所やATMが少ない可能性も考慮し、来店前に十分な現金を用意しておきましょう。
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写真撮影:周りへの配慮を大切に
- 料理の写真は基本的に撮影可能ですが、他のお客さんや店主、店内の様子を無断で撮影することは控えましょう。
- 特にカウンター席のみの店内では、他の方のプライバシーにご配慮ください。撮影する際は、ご自身のお料理に留めるのがマナーです。フラッシュ撮影も避けましょう。
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店内での過ごし方:美味しいうどんを気持ちよく
- カウンター席のみの小さなお店であり、多くの方が待っています。食事が終わったら、次の方のために席を立つなど、長居はせずスムーズな利用を心がけましょう。
- 店主は黙々と調理に集中されていることが多いため、過度な私語や大声での会話は控え、落ち着いた雰囲気で食事を楽しみましょう。
- 小さなお子様連れの場合、カウンター席であること、混雑時は待ち時間が長くなる可能性があることを考慮し、お子様が飽きないような工夫や、周囲への配慮をお願いします。
これらの点に留意して、ぜひ「手打ちうどん はりや」の素晴らしい一杯を堪能してください。きっと忘れられない食体験となるはずです。
アクセス
- 住所: 香川県高松市郷東町587-174
- 電車: JR予讃線「香西駅」から徒歩約15分~20分
- 車: 高松駅から車で約10分。香川県運転免許センターの近くです。
「手打ちうどん はりや」は、讃岐うどんの本場・香川県でも屈指の人気を誇る名店です。そのこだわりの一杯を味わえば、きっとあなたも讃岐うどんの虜になるはず。香川旅行の際には、ぜひ「手打ちうどん はりや」で、本物の味を体験してみてください。
まとめ:行列の先に待つ、感動の一杯と讃岐うどんの神髄
数多のうどん店がしのぎを削る「うどん県」香川において、高松市郷東町の「手打ちうどん はりや」は、まさに一度は訪れるべき聖地の一つと言えるでしょう。
その魅力は、まず何と言っても、徹底的にこだわり抜かれた手打ちうどんそのものにあります。毎朝丹精込めて打たれる麺は、讃岐うどんならではのしっかりとしたコシと、噛みしめるほどに広がる小麦の豊かな風味、そして艶やかな喉越しを兼ね備え、多くのうどん通を唸らせてきました。
そして、その極上の麺と双璧をなすのが、注文を受けてから揚げられる熱々サクサクの天ぷらです。特に「かしわ天」のジューシーな旨味と、「いか天」の驚くほどの柔らかさは、一度味わえば忘れられない感動を与えてくれます。これらが見事に調和した「かしわ天ざるうどん」や「いか天ざるうどん」は、まさに「はりや」を代表する芸術品です。
磨き上げられた厨房を目の前にするカウンター席のみの空間は、店主の真摯な仕事ぶりを肌で感じることができ、一杯のうどんに込められた情熱と、食のライブ感を堪能できる貴重な体験となるでしょう。「お客様にすべてを見てもらう」という実直な姿勢が、料理の味をさらに引き立てます。
もちろん、人気店ゆえの行列や、早めの麺切れ、現金のみの支払いといった注意点はありますが、それらを乗り越えてでも味わう価値が「はりや」のうどんにはあります。むしろ、そうした経験も含めて、旅の思い出として深く刻まれるのではないでしょうか。
「手打ちうどん はりや」は、単に空腹を満たすためだけの場所ではありません。讃岐うどんという食文化の奥深さ、職人の技、そして一杯の料理が生み出す幸福感を体感できる場所です。香川を訪れる際には、ぜひ旅の行程に「手打ちうどん はりや」を加えてみてください。行列の先に待つのは、きっとあなたの期待を裏切らない、感動の一杯のはずです。そして、その一口が、あなたの香川の思い出を、より豊かで味わい深いものにしてくれることでしょう。