「かけうどん」とは温めたうどんに、温かいつゆをかけて食べる、うどんの中でも最もシンプルでメジャーなメニューです。うどんと言われて時に真っ先に頭に浮かぶのがかけうどんという人も多いのでは?今回は初心者からお料理好きな人まで、誰でも簡単に美味しいかけうどんを作ることができる作り方やアイデア、コツなどを様々なアプローチでご紹介していきましょう。
うどんといってもその種類の多さにびっくり
こちらはいわゆる「生うどん」といわれるうどん玉です。スーパーでは1玉ごとにビニール袋に入れられ個包装されたものが並んでいます。熱湯でさっと湯がいてそのまま食べられるので手軽です。日持ちはしません。香川県内のうどん店では食べるだけでなくうどん玉とつゆの持ち帰りも可能なお店も多く、近所の人たちが自宅で食べる用にうどん玉とつゆをそれぞれビニール袋に入れてもらい、購入している姿も普通に見かけられます。香川県内のうどん店では多くのお店がうどんやつゆだけでなく天ぷらも持ち帰りOK。普段はもちろんですが法事など親戚や来客が多く集まるときにはうどんを大量に購入しておきおもてなしとして出すとことも日常の風景です。
讃岐が発祥のどこでも簡単、冷凍うどん
冷凍うどんの先駆けとなったテーブルマークは㈱加ト吉として香川県で創業。今ほど全国に知られていなかったさぬきうどんのおいしさを「全国の人に知ってもらいたい」「全国どこででも、おいしいうどんを食べてもらいたい」という強い想いで作られたそうです。冷凍コロッケや冷凍えびフライなどで培った冷凍食品に関する技術やノウハウを冷凍さぬきうどんの開発に生かしながら、大変な努力の末に1974年に発売されました。当時は思うように売れなかったそうですが口コミでその美味しさが広まり大人気に。冷凍さぬきうどん」のヒットで主食分野の中でも大きなシェアを占めるように。2000年には3億食、2013年には5億食の大台に乗るまでになりました。
知ってました?レンジで調理もOKの冷凍うどん
意外と知られていないのですが、冷凍うどんはレンジ調理がOKなんです。茹でなるのが面倒でと敬遠している人はこれをためさないともったいないですよ。冷凍うどんは鍋やお湯を使わず、個包装のままレンジで約3分20秒(600W)(例:テーブルマーク「さぬきうどん5食」)加熱するだけで、ゆでたてのおいしさ。かけうどんだけでなく焼うどんなど、汁気の少ないメニューにもおすすめ。 必要な分だけレンジでチンすればよいので、帰宅時間の違う家族の夕食や、鍋料理のあとの〆でも無駄にならないと大好評です。もちろんパッケージに記載された方法(内袋を外し熱湯で1分)で茹でて食べることもできます。
美味しい半生麺を茹でてかけうどんに
お土産や進物などでいただくことも多くなった半生めん。香川県の多くのうどん店ではオリジナルの半生めんを販売しています。もちろん地方発送もOK。つゆがセットになっているものは手間なく届いてすぐに美味しいかけうどんを食べられます。お店ごとの特徴が出ているオリジナルの半生うどんは、家にいながらにして讃岐うどんめぐりができると人気です。ただし、意外と知られていないのが美味しく茹でるコツ。決して難しくはないのですが正しい茹で方を知らないと、ただただ硬いだけで全く美味しくない、芯が残ってしまった…なんかべちゃべちゃでコシがない…というように残念な仕上がりになってしまう場合もあります。
これが半生うどんをおいしく茹でるコツ
半生うどんを美味しくかけうどんにするために、ゆで方のコツをご紹介します。ゆで方や締め方を誤るとせっかくのコシとツヤがなくなってしまいます。
ポイント①
「大きな鍋にたっぷりのお湯」
3L以上の沸騰している湯でゆでてください。パスタ用の大きな鍋がおすすめ。少ないとお湯が粘り、麺折れの原因にもなり美味しくゆがけません。小さい鍋しかない場合は、一度にゆでる麺の量を半分にすると良いでしょう。
ポイント②
「かき混ぜすぎない」
沸騰している湯の中へ麺をそっと入れてください。混ぜすぎると、麺折れの原因となります。
ポイント③
「茹で時間厳守」
麺が浮き上がりお湯が沸いてきたら、湯が噴きこぼれない程度の火加減で沸騰を続け時間通りにゆでます。
できたてかけうどんを自宅でも!
茹で上がったうどんはそのままではなく1度水で締めます。こうすることで讃岐うどん独特のコシとのど越しが生まれるのです。ただし冷やしすぎには注意。水で締めた後、アツアツが良ければ再度お湯であたためて、温かいだしをかければまるでうどん店で食べるような本格的なかけうどんが楽しめます。茹でた後のポイントは以下の2つです。
ポイント①
「茹でた麺はすぐ水切り」
茹でた麺を洗ったらすぐ水切り!ただしいつまでも冷やすのはNGですよ。麺は冷やしすぎると固くなるので注意。
ポイント②
「つゆは事前に準備」
つゆや具は先に用意しておかないとうどんがのびてしまうので注意。アツアツのつゆを用意しておくようにしましょう。
かけうどんのだしの秘密はイリコ
さぬきうどんのかけだしの材料として知られているのが伊吹島のイリコ。観音寺市の西方沖合10キロメートルに位置する伊吹島は人口約800人の小さな静かな島です。しかし6月から9月までは住民の半数以上がいりこ作りで大忙し。島を囲むように位置する加工場は活気に溢れます。全国的に「イリコの島」として有名な伊吹島のイリコ。島の周囲に広がる燧灘がカタクチイワシの豊かな漁場となっています。水深が浅く流れも緩やかな燧灘はイワシの骨身が柔らかいのが特徴。イリコにしたときに水が浸透しやすく出汁の出が良いイリコとなるのです。伊吹島では漁と加工が一貫となっていて鮮度の良いイリコができるのも美味しさの秘密です。
かけうどん用のだしの取り方
ここで基本のだしの取り方をおさらいしましょう。
【基本のだし】
- 水・・・3リットル
- いりこ・・・90g
- 混合節・・・60g
- かつお節・・・30g
- 昆布・・・30g
基本のだし作り方
- 3リットルの水を入れた鍋に、昆布とイリコを入れ4時間ほど置く
- 火にかけて沸騰直前に昆布を取り除き、あくを取る
- 沸騰したら、いりこを入れ5分火にかける
- イリコを取り除いたら混合節を入れ5分
- かつお節を入れ、沸騰しないように5分
- 火を消して20分置きかつお節・混合節を取り除く
基本のかけだし
- 白出汁・・・1リットル
- 薄くち醤油・・・45cc
- 塩・・・5g
※火にはかけなくて大丈夫ですのでお好みで調整ください。
もっと簡単にだしをとりたいなら
簡単に、でも本格的なだしがとりたいという人に。まずは手軽な市販のだしパックを煮出してだしを取る方法。香りも良く本格的な味が楽しめます。後片付けも簡単なのでぜひ利用してみてはいかがでしょうか?もう1つは煮出さずない水出し出しです。作り方は至ってシンプルです。昆布、煮干し、かつお節などをお好みの材料を水に浸けて冷蔵庫で一晩。使い勝手がいいのは麦茶などを入れるポット。茶こしがついていないタイプはお茶パックの中に材料をいれると後片付けも簡単です。保存の目安は冷蔵庫で約3日ですがもっと長く保存したいという人はジッパー付きの保存袋や密封できるプラスチック容器で冷凍すればOKです。必要な分だけ解凍し使えます。
冷凍だしの意外な活用方法
だしをとったら製氷機を使ってだしをキューブ状に凍らせておくと便利です。しっかり凍ったらジッパー付きのビニール袋で数個に分けて保存しておきます。市販の濃縮タイプのだしを使う場合にこのだしキューブを加えると薄まりすぎず、風味も良くなり冷たくて美味しくざるうどんやそうめんなどがいただけます。また小さなお子さん用にかけうどん、鍋焼きうどんなどを取り分ける時も、このだしキューブがあれば、大人用の味付けでもだしが程よく薄まり、温度も下がるのでやけどの心配もありません。お粥などの温度調節にもOKです。子育て中のママさんパパさん、ぜひお試しくださいね。冷凍保存とはいえ1か月ほどで使い切るようにしてくださいね。
かけうどんがもっと美味しくなる薬味
かけうどんの薬味といえば一般的にはネギ、ショウガ、刻みのりなどですが、他にももっと試してもらいたい薬味があります。まずはミョウガ。面倒ですが軸をちゃんと取り除いて繊維に沿って千切りにします。軸はみじん切りにしておきましょう。香りが強すぎる場合のみさっと水にさらします。次はいりごまです。煎りたてのごまを軽く擦っていただきます。大根おろしは辛いのが好きな人は大根の下の方を使って一気におろします。5分ほどたつと絡みが増すそうです。軽く水分を切って使います。その他に梅干しの種を外し包丁で叩き、滑らかにしたものもさっぱりと頂けておすすめです。頂き物のちょっといいかつお節があれば多めにかけてもOK。
麺とだしのハーモニーがかけうどんの魅力
いかがだったでしょうか?生うどん、冷凍うどん、半生うどんとうどんにも様々な種類があることがお分かりいただけたでしょうか?種類によって適した調理をすることで簡単に自宅でもおいしいかけうどんを楽しめる作り方をご紹介しました。またかけうどんといえば何と言ってもうどんとつゆのハーモニーが大切です。丁寧にとっただしは香りも風味もありお店で食べるのと同じような美味しさが再現できます。なにより添加物の心配もないので小さなお子さんにも安心して食べていただけます。素材の良さにこだわり、丁寧にとっただしが讃岐うどんのおいしさの秘密です。香川県のうどん店ではそれぞれ趣向を凝らしたこだわりのかけうどんが味わえますよ。