夏の土用の丑の日にうなぎじゃなくて「うどん」を食べる

うどんにまつわる話

土用の丑の日にうなぎを食べる理由

夏の土用の丑の日といえば「うなぎを食べる日」としてもはや日本の夏の風物詩のひとつにもなっていますよね。スーパーには蒲焼が並び、消費者も「どれにしようかな?」と手に取ってみたり「今日はお店に食べに行こう!」とちょっと奮発して贅沢をしてみたり。ところで、なんで夏の土用の丑の日にうなぎを食べるのか知っていましたか?

その理由はいろいろあるのですが、ものすごくざっくり言ってしまうと「滋養のつくものを食べて暑い夏を乗り切ろう」というのが一番の理由です。うなぎにはさまざまな栄養素が含まれていて、とっても元気になれる万能食材で、この風習自体は江戸時代に江戸から火がついて全国に広まったそうです。栄養素の成分はビタミンがとかミネラルが・・・といったことがまだ分かっていない昔にも、食べると気が出る食材だということは分かっていたようなので、昔の人の知識は侮れませんね。しかし、うどんを愛する私たちにとって、たとえ夏の土用の丑の日だと言っても「じゃあ今日は土用の丑の日なのでうどんは我慢します」とは言えない。言いたくない。
そこで、あえてこの日にうどんを食べる理由を探してみたいと思います。

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うなぎなのか?うどんではダメなのか?

では、夏の土用の丑の日に食べるものは鰻である必要があるのか。バレンタインデーにチョコレートじゃないとダメなのか?という議論をするのが不毛なのと同じように、ここでその理由を考える意味はあまりないのかもしれないのですが、そもそもの理由が「滋養のあるものを食べる」ということにあるようなので、別の食べ物でも良いのではないかと思ったわけです。で、検索してみたところ、すぐに見つかりました。「土用の丑の日 うどん」で調べたら既にいろんな方が「うどんでもいいんだよ」って言ってくれてました。そう。それはまるで用意されたかのように理想的な回答だったのです。

夏の土用の丑の日にうなぎを食べる理由になった、言わば夏の風物詩の生みの親とも言うべき習慣。
夏の土用の丑の日には「う」のつくものを食べるというものです。

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仕掛け人は奇しくも讃岐の出身者「平賀源内」

夏の土用の丑の日にうなぎを食べることを日本全国に広めたのは讃岐出身の有名人としてWikipediaにも載っているあの「平賀源内」です。
うどんの国に生まれながらここで強敵として立ちはだかるとはなんという因果なのでしょう。

と言っても
・平賀源内はもともとうなぎが好きだった
・自著の本に土用の丑の日にうなぎを食べると滋養になると書いた
・商売の相談に来たうなぎ屋に「今日は土用の丑の日。鰻食うべし」という看板を立てさせた
・そのお店が繁盛しているのを見て他のお店もまねをした
・平賀源内が有名人だったことも相まって全国的に広まった

という流れなので、平賀源内自身は、お店を助けようとしただけでまさか日本全国に広がったあげく200年後にはみんながこぞってスーパーで蒲焼を買っているなんて夢にも思ってないでしょうね。ただ、これが広まった理由としては、もともと日本には「夏の土用の丑の日に『う』のつくものを食べる」という習慣があったことが挙げられます。

「う」のつくものを食べる風習がもともとあった

うなぎを食べるのがいいって平賀源内が言ってる

なんかみんなもうな丼を食べてる

私も乗っかろう

という日本人あるある的な流れも手伝って、広まるべくして広まったのかもしれませんね。つまり、最初は「う」のつくものなら何でもよかったのに「平賀源内は讃岐の出身者にもかかわらずうどんではなく鰻を広めた男」なのです。と、その気がなかった平賀源内を責めても仕方がありませんね。きっと平賀源内とて江戸でうなぎ屋さんに相談を持ち掛けられて「店の前に“本日は土用の丑の日。うなぎ食うべし”という看板を出しなさい」と言ったことで200年以上も経って地元の香川で「なんでうどんを広めなかったんだよ」って言われる日が来るとは夢にも思っていなかったでしょうから。

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夏の土用の丑の日に滋養になるうどんを食べよう

ということで、夏の土用の丑の日に食べるのは「う」のつくもの。うどんでももちろんOKということが分かりました。これは大きいですよ。なにしろう土用の丑の日にうどんを食べる理由が見つかったわけですから。「スーパーで蒲焼買った?それとも食べに行った?」と聞かれて「今年は食べに行ったよ(うどんを)」という返しもOKということになるわけです。もちろん、うどん好きの方々なら毎日うどん屋さんに行っているはずなので何も変わらない日常なのかもしれませんが。ただ、いつも通りの定番メニューをいつものルーチンで頼むのもちょっと芸がない気がしますよね。せっかく「うなぎ」という比較対象があるわけですし、そもそも「滋養をつけること」が話の発端にあるわけです。かけうどんももちろんおいしいですが、せっかくなのでうなぎぐらい滋養のつくスタミナメニューを食べるのもアリですよね。そこで、うどんと合わせておいしい変わり種。滋養がつきそうなさぬきうどんを紹介していきます。

大円/高松市 スタミナぶっかけうどん

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高松市内にある大円さんは安倍総理も来たことがあるという人気のうどん屋さんです。
スタミナぶっかけは牛肉、あげ、大根おろし、わかめと、とにかく滋養がつきそうなものがいっぱい詰め込まれています。少しずついろんな味を楽しんでも良し、ぐるぐるかき混ぜていっきにすすり上げても良し。いろいろな食べ方を楽しめるうどんです。ちなみにスタミナぶっかけ以上にスタミナが出そうな「安倍総理ぶっかけ」なるものもあるようですが、こちらはさらにえび天まで乗っかっているという贅沢なうどんです。

綿谷/丸亀市・高松市 スペシャルぶっかけ

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丸亀市の本店と、高松市の商店街にもう1店舗お店を構える綿谷さん。うどんのおいしさはもちろんですが特に人気なのは「肉ぶっかけ」で、「肉ぶっかけを食べるなら綿谷」という方も少なくありません。でも、さらにその上をいく「スペシャルぶっかけ」なるものがあることをご存知でしたか?甘辛の味付けに定評があるお肉は牛と豚の両使い。わかめとねぎ、レモンが脇を固め、中央には温玉。すべてを覆い尽くし、下にあるうどんが見えないくらい盛られた絶品のスタミナメニューです。

飯野屋/丸亀市 讃岐もち豚とオクラの青じそぶっかけ

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夏限定で登場する飯野屋さんの讃岐もち豚とオクラの青じそぶっかけ。讃岐もち豚の甘みのある豚しゃぶにオクラやミニトマトが乗ったぶっかけうどん。上に細切りで乗っかっているのは海苔かと思いきや大葉!?ダシもさっぱり夏らしい青じそ風味のぶっかけダシ。どこまでもこだわり抜いたメニューは数ある限定メニューの中でも人気No.1だそうです。夏が終わるまでに一度は食べておきたいひと品です。

くうや/高松市 鶏肉味噌煮うどん

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高松市内にある「くうや」さんは、商店街のアーケードを抜けて少し行ったところにあるうどん屋さん。鶏肉味噌煮うどんはパッと見ラーメン?と思えるような味噌煮のひき肉が乗っかり、ねぎとわかめがトッピングされたいわゆるダシのうどんとは一線を画したうどんです。コシのあるちょっぴり細めのうどんに絡めてスタミナのつくうどんを食べたいという方には特におすすめです。

三徳/高松市 山かけ鉄火しょうゆうどん


三徳さんの山かけ鉄火しょうゆうどんはこれ以上ないというくらいめちゃくちゃおいしい変わり種うどんです。うどんに鉄火?と思うかもしれませんが、どっちも醤油をかけておいしく食べられますよね。
そして、どっちも山かけで食べるとおいしいですよね。わさびと海苔との相性は言わずもがなです。
で、どっちもおいしいが合わさった結果、結局おいしかったというコンビメニューです。

おすすめのスタミナうどんを教えてください

今回は暑い夏に絡めて滋養のつくメニューを紹介してきました。土用の丑の日にうどんを食べるのはアリということがきっと分かっていただけたと思います。ただ、大切なのは土用の丑の日にうどんを食べることではなく、暑い夏を夏バテせずに乗り切ること。うどんは冷やしても美味しく、生姜やわさび、ねぎや海苔といった薬味との相性も良いので、夏バテ防止にもってこいのメニューでもあります。ぜひうどんをおいしくいただいて夏バテせずに暑い夏を乗り切ってください。pipppi(ぴっぴ)では、インスタグラムにてさまざまなうどんのレポを募集しています。インスタグラムにさぬきうどんを載せる際にはぜひ「#ぴっぴレポ」のハッシュタグをつけて投稿してくださいね。