あつあつ?ひやひや?さぬきうどんの注文方法が独特な件について

さぬきうどん うどんにまつわる話

香川に住んでいて、いつもうどんに慣れ親しんでいる方ならば「あつあつ」とか「ひやひや」という言葉を聞いた時点でなんのことか理解できると思います。しかし、そうでない方からしてみると「?」ですよね。「ひやあつ」や「あつひや」とかもあるんかい?と思った方は察しが良いですね。そう。あるんです。これはおそらくですが、かけうどんを多く食べるさぬきうどんならではの文化なのではないかと思います。

さぬきうどんの注文方法をおさらい

まずはさぬきうどんの注文方法をおさらいしていきましょう。香川県内にあるうどん屋さんでも、注文方法は大きく分けるとふた通りあります。
細かく分けるとさらに数種類に分類することができると思うのですが、ひとまず大きく分けたふたつを紹介していきます。

テーブルに座って注文する一般店


香川県以外の方であれば、ほとんどが「一般店」のタイプがスタンダードなのではないかと思います。

●一般店の注文方法
①お店に入るとまず席に座る
②注文をとってうどんが来るのを待つ
③うどんを食べる
④お会計

先に注文し、後片付けまでするセルフ店


香川県でよくあるのがセルフのお店。マクドナルドと同じような感じだと思うとイメージしやすいかもしれません。

●一般店の注文方法
①お店に入るとまずうどんを注文する
②うどんを受け取り、それ以外の天ぷらやおにぎりなど、必要なものを自由に皿に取っていく
③お会計
④席に座ってうどんを食べる
⑤後片付け

一般店とセルフ店の大きな違いは支払いのタイミングと後片づけ

一般店は、通常のレストランと同じなので、あまり戸惑うことはないでしょう。お店に入るとお店の方が席に案内してくれるため、「ここは一般店?それともセルフ?」と戸惑うこともあまりないと思います。
また、セルフの場合はさきにうどんを受け取ってお会計を済ませるというスタイルになります。お店によって薬味を自由にトッピングできたり、うどんを温めるのも自分でやったりと、スタイルはさまざまです。
食べ終わった後にカウンターまで食器を返却するところも一般店と大きく異なる特徴のひとつ。ホールスタッフがいない分人件費が安くなるため、うどんの商品価格が抑えられているという店もセルフのお店の魅力のひとつです。

スタンダードなかけうどん「あつあつ」


「あつあつ」というのは温かい麺に温かいダシをかけるうどんのことです。
なんだ。ふつうのかけうどんじゃん。と、思われた方、はい。その通り。「あつあつ」の正体はズバリ、「ふつうのかけうどん」です。
では、なぜただのかけうどんが「あつあつ」と呼ばれているのかというと、冬場に冷たいうどんを食べる人はあまりいないので、「かけ」といえばあつあつなのですが、夏場になると暑い日にあつあつのうどんを汗だくになりながら食べるのはちょっと・・・という方も多くなります。
冷たいぶっかけうどんを頼む人もすくなくないのですが、かけうどんを冷たいダシで食べるケースも少なくないので、わかりやすく区別するために「あつあつ」と言います。
ちなみに、あつあつのうどんをちょうだい。という意味ではなく、麺は熱い、ダシも熱いということであつあつという意味です。
あつあつの特徴はシンプルにうどんの美味しさをそのまま味わうことができる。というのに尽きます。
冷たいうどんが。コシのあるうどんが。といろいろ言われますが、最終的にはやっぱりあったかいかけうどんがいい。
シンプルにうどんの美味しさとダシの味わいを堪能できるのはあつあつのかけうどんがやっぱり一番なのではないでしょうか。

冷たいかけうどん「ひやひや」

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夏になると登場するのが冷やかけうどん。冷たいうどんと冷たいダシを掛け合わせたいわゆる「冷やかけうどん」です。
麺が冷やでダシも冷や。だから「ひやひや」。つまり、「あつあつ」の正体が普通のかけうどんなら、「ひやひや」の正体は「冷やかけうどん」でした。

お店によっては「冷やかけうどん」と呼ぶ場合もあるのですが、セルフのお店とかだと特に、カウンターで「ひやひや」と言ったら冷やかけうどんが出てくるというケースが多いです。
もちろん、どちらで呼んでも間違いではないので安心してください。

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夏になると登場するのが冷やかけうどん。冷たいうどんと冷たいダシを掛け合わせたいわゆる「冷やかけうどん」です。
麺が冷やでダシも冷や。だから「ひやひや」。つまり、「あつあつ」の正体が普通のかけうどんなら、「ひやひや」の正体は「冷やかけうどん」でした。

お店によっては「冷やかけうどん」と呼ぶ場合もあるのですが、セルフのお店とかだと特に、カウンターで「ひやひや」と言ったら冷やかけうどんが出てくるというケースが多いです。
もちろん、どちらで呼んでも間違いではないので安心してください。
ひやひやの特徴は何と言っても麺のコシ。うどんはシメると麺に弾力が出てくるため、ひやひやだとしっかりとコシのある麺を楽しむことができます。
ぶっかけうどんやざるうどんも同じく冷たい麺に冷たいダシですが、かけうどんとはまた違った濃いめのダシになるため、かけうどんとはまた味わいが変わってきます。
夏だからこそ、冷たいかけうどんが食べたいという方はぜひ、ひやひやを食べてみてください。きっとハマりますよ。

麺があつくてダシが冷たい「あつひや」

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あつあつとひやひやがあるのだから、もちろん「あつひや」もあるのでは?と思った方、大正解です。
あつひやは、熱いうどんに冷たいダシをかけたうどんのこと。
冷たいうどんはコシが出るのが特徴ですが、熱いうどんは弾力がなくなっていく分もっちりとした食感の麺になっていきます。
もっちりとしていてそこまでかたくない麺と冷たいダシをかけてぬるくなったうどん。好みではありますが、なんとなくチョイスされる率は下がるのでは?思う方も多いのではないでしょうか。
でも、場合によっては重宝されているようです。
というのも、あつひやは最終的に熱いうどんと冷たいダシがまざるのでぬるいうどんになるため、まずやけどの心配がありません。
さらに、そこまで弾力が強くなく、噛みやすいことも手伝って、小さいお子さんに食べさせるのにぴったりなんです。
讃岐弁でうどんのことを「ぴっぴ」と呼びますが、こどもにとってぴっぴの味はあつひやという方ももしかしたら少なくないかもしれません。

麺があつくてダシが冷たい「あつひや」


あつひやがあるのだから当然ひやあつもあります。そして、御察しの通り、こちらもぬるいうどんです。
ちなみに冷たい麺といっても氷水で冷やすわけではなく、一般的にうどん屋さんは釜揚げした麺を一度流水で冷やして置いています。
ひやあつは、冷たい麺をそのまま使うため、「そのまま」という呼ばれ方をする場合もあります。
こちらもひやひやと冷やかけと同じようにお店によっても呼び方は違いますが、おそらくどちらでも通じると思います。
では、あつひやとひやあつは何が違うのか。ひやあつは麺が冷たくてダシが温かい。麺は冷やすとかたくなってコシが出てきます。一方、ダシは温かいと風味を楽しむことができ、より味わい深くなります。
その両方をいいとこ取りしたのがひやあつなのです。まざるとぬるくなるため、最終的にはあつひやもひやあつも変わらないのでは?と思っている方にこそためしてほしい。
あつひやとひやあつはまったく別の食感なのです。あつひやは食べやすくて子供におすすめの食べ方でしたが、ひやあつは麺もダシも良いとこどりしたいという、大人のためのツウな食べ方とも言えるでしょう。

うどんの呼び方をまとめてみました


いろいろな呼び方や食べ方があるさぬきうどん。おさらいも兼ねてもう一度食べ方についてまとめてみました。

あつあつ
麺が熱くてダシも熱い。ようするに「かけうどん」のこと
ひやひや
麺が冷やでダシも冷や。「冷やかけうどん」とも呼ばれる
あつひや
麺が熱くてダシが冷たい。結果ぬるいうどんになる
ひやあつ
麺が冷たくてダシが熱い。「そのまま」と呼ばれることも

いかがだったでしょうか。
これを見るだけでもうどんにさまざまな楽しみ方があるということがわかります。
あつあつとひやひやはある程度馴染みがあるという方も多いと思いますが、ぬるいうどん?本当においしいの?と思われている方は、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
もしイメージだけで敬遠している方がいるとしたら、「ひやあつ」や「あつひや」のうどんが気にいったという方も増えてくるのではないかと思います。